
いつも CLOMO をご利用いただきありがとうございます。
カスタマーサクセス担当です。
国内・海外・訪日旅行など幅広い旅行事業を展開する 株式会社阪急交通社 様は、社員と添乗員の用途に合わせて、iOS と Android を使い分けながら、CLOMO で一元的に管理しています。
本記事では、約9,600台のデバイスを支える利用者別の管理方針や、アプリ配信、紛失対応、大規模運用を継続するための体制について、総務部の藤原様に伺いました。
目次
- 約9,600台を支える、利用者別のデバイス運用
- iOS と Android を適材適所で使い分ける
- 社員と添乗員:利用者グループごとの最適な管理ルール
- 数千台へのアプリ配信と利用者負担の軽減
- 紛失対応と大規模運用を支える管理体制
- まとめ ― 「管理のしやすさ」ではなく、「現場の使いやすさ」を基準に
約9,600台を支える、利用者別のデバイス運用

阪急交通社様では、社員用の iPhone 約2,600台と、添乗員用の Android 約3,400台、iPad 約3,400台を管理しています。
社員には一人一台の iPhone を貸与し、スマートフォンの内線化や固定電話への着信連携、社内システム、各種業務アプリの利用などに活用しています。
また、日本全国や世界各国を飛び回る添乗員にとっても、スマートデバイスは欠かせない業務ツールです。Android デバイスや iPad は情報収集や連絡ツールとして、また添乗員向けの業務システムを利用した日報作成や経費精算などに使用しています。
▽ 阪急交通社様のデバイス活用概要
| デバイス | 利用者 | 主な活用シーン | 活用内容 |
| iPhone | 社員 | 全社的な業務コミュニケーション | スマホの内線化・外線連携による場所を問わない連絡体制の構築、社内システムや業務アプリを活用した業務の効率化 |
| iPad | 添乗員 | ツアー運営・顧客管理 | 紙資料のデジタル化による情報管理、顧客データ確認、日報・経費精算のモバイル完結 |
| Android | 添乗員 | 添乗業務のモバイル端末 | 各施設との連絡や旅先情報収集に加え、専用 Web アプリを活用した日報作成・顧客データ閲覧・経費精算 |
※ iPhone や iPad は、全台監視対象モードとなっています。
※ Androidは、全台 Fully Managed Device モードとなっています。
デバイス導入により、これまで添乗員が持ち歩いていた多くの資料や、紙を中心に行われていた業務をデジタル化したことで、現場の負担軽減にもつながっています。
スマートデバイスは、単なる連絡手段ではありません。社員の働き方と、国内外のツアー運営を支える業務基盤として定着しています。
iOS と Android を適材適所で使い分ける
複数の OS を管理していると、「すべて同じ OS に統一した方が、運用や管理がしやすいのではないか」と考える管理者の方も多いのではないでしょうか。
阪急交通社様では、現在も iOS と Android の両方を運用しています。社員用デバイスは iPhone に統一する一方、添乗員用の Android スマートフォンは、長年の運用を通じて現場に定着し、利用者も操作に慣れていることから、引き続き活用しています。
「添乗員は Android に慣れていますし、現在はそれぞれ問題なく使い分けています。今後、iPhone に一本化する予定もありません」(藤原様)
管理者側の運用だけを考えれば、OS を統一する選択肢もありますが、同社は現場に定着しているデバイスを無理に変更せず、利用者が使い慣れた環境を維持しています。
CLOMO で iOS と Android を一元的に管理できることが、こうした柔軟なデバイス選定を支えています。
PICK UP!:
OS をそろえることより、現場で使い続けられることを優先
OS の統一は、管理を単純化するうえで有効な方法ですが、利用者にとっては、新しい操作を覚える負担や移行時の混乱が生じる可能性があります。問い合わせ対応や教育の工数まで考えると、必ずしも「統一すること」が最適とは限りません。
阪急交通社様では、社員と添乗員それぞれの利用状況を踏まえ、iOS と Android を適材適所で使い分けています。
社員と添乗員:利用者グループごとの最適な管理ルール
阪急交通社様のデバイス運用を語るうえで欠かせないのが、社員用と添乗員用で管理方針を明確に分けていることです。
同じ会社の業務用デバイスであっても、利用者の立場や働く場所、用途が異なれば、必要な管理方法も変わります。同社では、こうした違いを CLOMO の設定へ反映しています。
▽ 社員用と添乗員用の主な運用方針
| 項目 | 社員用 iPhone | 添乗員用デバイス(iPad,Android) |
| 基本方針 | 利便性と業務での活用を重視 | 添乗業務利用に限定 |
| アプリの追加と削除 | 無料アプリはインストール許可(業務上必要な場合) ゲーム等は非表示 |
原則禁止(業務上必要な場合、担当部署ならびに総務部署の許可制) |
| AI の利用 | 社内ルールの範囲で許可 | 業務上必要な範囲に限定 |
| テザリング | 許可 | 禁止 |
| フリー Wi-Fi | 接続許可 | 運用ルールに基づき管理 |
| スクリーンショット | 許可 | 禁止 |
| 外部メモリ | 許可 | SDメモリーを制限 |
| Apple Account/Google アカウント | 許可 | 利用不可 |
社員用は、過度に制限せず活用を促す
社員用 iPhone では、アプリのインストールや AI、テザリング、フリー Wi-Fi の利用などを広く許可しています。Web サイトの閲覧制限も必要最小限とし、業務に不要なゲームなどのアプリを非表示にする程度にとどめています。
自由度を高くしているからといって、管理を行っていないわけではありません。利用ルールを定め、社内のセキュリティ教育を通じて、安全な利用を促しています。
「社員用は、業務利用に限定した制限設定をかけて満足度を下げるよりも、セキュリティ教育に力を入れたうえで、自由に使ってもらいたいと考えています」(藤原様)
スマートフォンを内線電話として使うだけでなく、社内アプリや新しいサービスの活用へ広げていくためには、一定の自由度も必要です。
そこで同社では、MDM だけで利用を最適化するのではなく、ルールと教育を組み合わせることで、社員がデバイスを有効活用できる環境を整えています。
添乗員用は、業務に必要な機能へ絞る
社員用デバイスに対して添乗員用デバイスでは、アプリのインストール・アンインストール、スクリーンショット、SDメモリーの利用などを制限しています。個人の Apple Account や Google アカウントも利用できない運用となっています。

△ 添乗員用の iPadは必要なアプリのみを表示させている
「添乗員には派遣スタッフも多く、社員と同じ頻度や内容でセキュリティ教育を行うことが難しいため、デバイス側の設定によって安全性を確保しています。また、添乗員用 iPad の主な用途は、業務システムを通じた日報作成や経費精算です。業務に不要な動画視聴などを制限することで、海外利用時のデータ通信量の増加も防いでいます。」(藤原様)
同社では、スマートデバイスの導入初期に、海外でのデータ通信量が想定以上に増えた経験がありました。その経験を踏まえ、現在の運用ルールや制限設定を整備しています。
社員には「ルールを理解したうえで活用できる環境」を、添乗員には「業務に必要な機能のみを安全に使える環境」を提供しているのです。
デバイスの制限設定については、「制限設定プロファイル作成・編集・複製・削除(iOS)」「管理プロファイル作成・編集・複製・削除(Android)」をご参照ください。
PICK UP!:セキュリティと利便性を、同じ基準で考えない
制限を増やすだけでは、業務に適したデバイス運用を実現できるとは限らず、使い勝手の悪さから、利用者の不満や生産性の低下につながります。
そのため、適切な教育やルールの周知を行うことで、デバイス操作の自由度を高めつつも、安全に利用できる環境を整えることができます。
- 社員は、教育とルールで守る
- 添乗員は、MDM の機能で守る
一律に厳しくするのではなく、利用者ごとに適切な管理方法を選ぶことが、セキュリティと利便性の両立につながっています。
数千台へのアプリ配信で利用者の負担を軽減

阪急交通社様では、社員用 iPhone や添乗員用デバイスへ、社内システムや Web 会議、添乗業務に必要なアプリを CLOMO から配信しています。
利用者一人ひとりへインストールを任せる運用では、「案内を見ていない」「設定方法が分からない」「まだインストールしていない」といった状況が発生し、業務へ影響する可能性があります。
CLOMO を利用すれば、管理者が必要なアプリを対象デバイスへ一斉に配信できるため、利用者が個別にインストールする必要はありません。
「会社が使ってほしいアプリを、利用者自身でインストールする必要がないので、ユーザー側の負担は非常に軽いと思います。利用者に任せていたら、インストールしない人もいると思いますから」(藤原様)
同社では、必要に応じて数千台のデバイスへアプリを一斉配信しています。管理者は必要なアプリを対象デバイスへまとめて配信でき、利用者は複雑な設定を行うことなく業務を開始できます。
アプリ配信は、管理効率を高めるだけでなく、利用者の負担を減らし、スムーズな業務開始を支える仕組みとなっています。
紛失対応と大規模運用を支える管理体制
月10件弱の紛失に備える対応フロー
国内外を移動する添乗員がデバイスを持ち歩く阪急交通社様では、紛失への備えも重要です。管理台数が多く、業務でさまざまな場所へ移動することから、紛失は月に10件弱の紛失が発生することもあるといいます。
同社では、デバイスを紛失した場合、まず通信キャリアへ連絡して回線停止を依頼し、その後、総務部門や運用委託先へ連絡するルールを設けています。そのうえで、CLOMO から紛失モードを実行し、第三者がデバイスを操作できない状態にします。

国内で紛失したデバイスについては、警察から連絡が入ることもあり、藤原様の感覚では半数程度が発見されているといいます。
同社では、まず回線停止依頼と並行して紛失モードによって情報を守りながら、警察への届け出や位置情報を参考に捜索します。それでも見つからず、代替デバイスの手配などについて利用者と確認できた段階で、紛失デバイスとして必要な処理を行っています。
CLOMO による遠隔操作は、情報漏えいを防ぐだけでなく、デバイスを安全に捜索するための時間を確保する役割も果たしています。
PICK UP!:すぐに初期化せず、「守りながら探す」
紛失時の遠隔初期化は、端末内の情報を消去できる強力な対策です。
一方で、初期化後は位置情報の確認が行えません。そのため、紛失直後から初期化するのではなく、まず紛失モードで第三者の操作を防ぎ、発見の可能性を残す運用も選択肢となります。
デバイスの紛失対策については、「デバイスを紛失モードに設定したい」をご参照ください。
社内外で役割を分担し、約9,600台を管理
約 9,600 台ものデバイスを総務部門だけで管理することは現実的ではありません。
阪急交通社様では、利用者ごとに管理ポリシーを分けるだけでなく、社内外で役割を分担することで、大規模なデバイス運用を実現しています。
キッティングは通信キャリアが担当し、日常的なデバイス管理や故障・操作に関する問い合わせ対応は、同社の業務を理解する協力会社へ委託しています。
利用者は困りごとがあれば専用窓口へ直接相談でき、総務部門でも基本的な問い合わせには対応できる柔軟な体制を整えています。
▽ 約9,600台を支える主な役割分担
| 運用内容 | 社員用 | 添乗員用 |
| キッティング | 通信キャリア | 通信キャリア |
| 日常的なデバイス管理 | 協力会社 | 協力会社 |
| 故障・操作に関する問い合わせ窓口 | 協力会社 | 協力会社 |
| 基本的な問い合わせ対応 | 協力会社/総務部 | 協力会社 |
| 機種変更やデバイス回収 | 総務部 | 添乗員部署 |
このように管理業務を一か所へ集中させるのではなく、業務に近い部署や外部の協力会社と役割を分担することで、約 9,600 台のデバイスを継続的に運用しています。
さらに、CLOMO の管理画面やマニュアルが分かりやすく、必要に応じてサポートやユーザー向けセミナーも活用できることが、管理者と委託先が共通認識を持ちながら運用するための基盤となっています。
まとめ
管理者と利用者、双方の使いやすさを考えたデバイス運用
阪急交通社様では、約9,600台の iOS・Android デバイスを、一律のルールで管理しているわけではありません。
社員用デバイスは、セキュリティ教育と運用ルールを前提に、業務で柔軟に活用できる環境を整えています。一方、添乗員用デバイスは、海外での利用や利用者の特性を踏まえ、添乗業務に必要な機能へ絞って運用しています。
CLOMO によるアプリの一斉配信や利用者グループごとの制限設定、紛失時の遠隔操作を活用することで、利用者の負担を抑えながら、安全で統一された業務環境を提供しています。
こうした運用に共通しているのは、単に制限を増やすのではなく、利用者の業務内容や利用環境に応じて、適切な管理方法を選んでいることです。
「スマートフォンで何ができるかは、今も日々検証しています。自分たちが考えていることに合うものはもちろん、想像していなかったことでも、業務に役立つものがあれば取り入れていきたいです」(藤原様)
デバイス管理の目的は、デバイスを厳しく制限することではなく、利用者が必要な機能を安全に使い、業務に集中できる環境を整えることです。
社員には柔軟に活用できる環境を、添乗員には安心して業務に利用できる環境を提供する阪急交通社様の取り組みは、複数OSや多様な利用者を抱える企業にとって、デバイス運用を検討するうえで参考となる事例です。
本事例が、みなさまの組織におけるデバイス運用やセキュリティ管理の参考となり、日々の現場運用に少しでもお役立ていただければ幸いです。
阪急交通社様の CLOMO 導入事例は、株式会社アイキューブドシステムズのサービスサイトでも紹介しています。ぜひ こちら もご覧ください。