いつも CLOMO をご利用いただきありがとうございます。
カスタマーサクセス担当です。
今回は、福岡県内の生活協同組合として地域に根ざしたサービスを展開する エフコープ生活協同組合 様 (以下、エフコープ様)のデバイス運用事例をご紹介します。

食品や生活用品の宅配・店舗販売をはじめ、共済・保険、エネルギー供給、住宅・リフォーム、さらには福祉や子育て支援まで、幅広い事業を展開する同組合。従業員は 3,000 名を超え、その多くが現場で活躍しています。
その業務を支えているのが、約 2,000 台の iPhone / iPad。これらのデバイスを安全かつ効率的に運用する基盤として導入されたのが、CLOMO MDM です。
今回は、総務部デジタル推進課のご担当者様に、現場でのデバイス活用や運用の工夫についてお話を伺いました。
目次
- エフコープ様が取り組むスマートデバイス活用
- CLOMO が支えるデバイス運用
- Microsoft Intune 条件付きアクセスによる安全な運用
- セキュリティと利便性のバランス
- 管理負担軽減と運用改善
- まとめ
エフコープ様が取り組むスマートデバイス活用

宅配や店舗など、組合員と直接向き合う現場では、「正確さ」と「スピード」が何よりも求められます。エフコープ様では、業務の効率化とサービス品質の向上を目的に、iPhone/iPad を活用しています。スタッフ一人ひとりが、どの業務シーンでも必要な情報や機能にすぐアクセスできる環境を整えています。
▽ エフコープ生活協同組合 様のデバイス活用一覧
| デバイス | 主な活用シーン | 活用内容 |
| iPhone | 宅配業務/事務作業 | ・宅配ルート・別積み商品管理・宅配完了記録をアプリで一元化 ・スタッフ間の連絡、社内ポータル閲覧、各種申請・経費精算 ・メール、スケジュール管理 |
| iPad | 加入手続き/情報共有 | ・共済加入手続きやサービス紹介 ・会議資料閲覧、人事評価、オンライン会議 |
| 共通利用 | 記録・報告業務 | ・写真撮影・共有 ・各種申請 |
※ iPhone や iPad は、全台監視対象モードとなっており、一部は Automated Device Enrollment を利用した管理も行われています。
デバイスの導入当初は、主に宅配現場の効率化を目的として活用が進められていました。
しかし現在では、宅配・店舗業務にとどまらず、共済加入手続き・会議・人事評価・社内コミュニケーションなど、活用の幅は大きく広がっています。
「もともとは宅配業務を効率化するために iPhone を導入しましたが、実際に使い始めてみると、申請や経費精算、ポータルの閲覧など、いわゆる “ちょっとした事務作業” にも活用できるようになりました。」と、ご担当者様は語ります。
CLOMO が支えるデバイス運用
現場で稼働する数千台のデバイスを、どのように安定的に管理するのか。
エフコープ様では、各部門の多様な業務を支えながら、「誰でも迷わず、安全に使える環境」の構築を重視しています。その中核となるのが、CLOMO を活用したアプリ管理・遠隔操作・プロファイル制御の仕組みです。
業務効率とセキュリティを両立するため、現場では次のような工夫が行われています。
・用途ごとに分けられた組織単位でアプリを柔軟に管理
実際の会社組織ではなく、用途に応じたグループ分けによって組織を作成・運用されています。組織ごとに必要なアプリを分け、スタッフ自身が CLOMO からインストールできる仕組みを採用。管理側は配布対象を柔軟に調整でき、現場は自分に必要なものだけをすぐに使えるようになりました。

△ エフコープ様の Users/Org 画面。「番号_用途」のルールで綺麗に組織を作成している。
・トラブル対応とセキュリティ確保
デバイス紛失時には、CLOMO から 紛失モード を利用して遠隔ロックや初期化を実行し、情報漏えいを防止しています。また、出先でのトラブルにもすぐに対応できる体制を整え、安心して業務に利用できる環境を維持しています。
・多種多様なプロファイル管理
デバイスの用途や利用部門に応じて、多くの構成プロファイルが作成されており、その数は 20 を超えています。
各用途に合わせた Web クリッププロファイル や 制限設定プロファイル を CLOMO から一括配布し、デバイスの構成を統一。どの拠点・どのデバイスでも同じ設定で利用できるため、分散環境でも安定した運用が可能になりました。
PICK UP!:宅配現場を支えるインハウスアプリ
エフコープ様では、コープ九州事業連合と共同開発した宅配専用のインハウスアプリを運用しています。iPhone から宅配ルートの確認、宅配商品の確認、宅配完了報告が行えるようになり、紙業務や電話連絡を削減。業務効率化を実現しています。
アプリの配信や更新は CLOMO で集中管理し、OS 更新時も現場に影響を与えない段階的な運用を実施。また、年に一度のプロビジョニングプロファイル更新にも CLOMO PANEL からの一括配信で対応しています。
Microsoft Intune 条件付きアクセスによる安全な運用
モバイル活用が進む中で、「誰が、どの端末から、どの情報にアクセスできるのか」は重要な課題です。
エフコープ様では Microsoft 365 の利用拡大に伴い、利便性とセキュリティの両立を目指して CLOMO と Microsoft Intune を組み合わせた条件付きアクセスを導入しました。
詳細設定は「Microsoft Intune 連携の設定をする」および「2025.05.28 「最新リリース情報:注目すべき新機能のご紹介」をご参照ください。
CLOMO × Microsoft Intune が生む安心の仕組み
CLOMO 管理下の iPhone/iPad からは、通常どおり会社の Microsoft 365 へアクセスできますが、私物のデバイスや不特定の Wi-Fi など、安全性が確認できない環境からのアクセスは自動的に遮断されます。
システムが条件を判別してログインを制御するため、利用者は特別な操作を意識することなく、常に「安全な業務環境」で業務を行うことができます。
この「正規デバイスしか入れない」明確な境界が、エフコープ様の安全・安心なデバイス運用を支えています。

セキュリティと利便性のバランス
モバイルを現場で活用する以上、セキュリティ対策は欠かせません。
エフコープ様では、「使いやすさを損なわずに守る」をテーマに、CLOMO を活用した細やかな設定を行っています。
- 画面ロックは 5 分以内、パスコード設定は必須
- 役割に応じて Safari の利用を制限
- 業務に関係のないアプリの利用は原則禁止
こうしたルールにより、どの拠点・どの端末でも同じ操作性を保ちながら、確かなセキュリティを実現しています。
PICK UP!:使いやすさを犠牲にしないセキュリティ設計
CLOMO の設定制御は、「厳しく制限する」ためではなく、誰でも迷わず使える環境を維持するために設計されています。
エフコープ様では、役割に応じて Safari の使用を許可しています。
特に推進担当スタッフ(加入手続き等を行うスタッフ)など、現場で突発的に情報を調べる必要がある職種では、業務効率を保つための安全な検索ツールとして Safari を利用しています。
これにより、「自由度を保ちながらも安全に使える環境」を実現しています。
なお、Safari にはコンテンツフィルタプロファイルを設定していません。フィルタを導入すると、業務で必要な社内サイトや外部資料まで遮断してしまう可能性があるためです。
このように、複雑な操作や判断を求めることなく、セキュリティを強化しながら現場のストレスを最小限に抑える仕組みを整えています。
▽エフコープ様の貸与している iPhone の画面(ホーム画面のスクショ画像)

管理負担軽減と今後の展望
エフコープ様では、人事異動が多いことが組織運営の特徴です。導入当初は、異動や出向のたびに設定変更やアプリ管理が必要で、大きな負担となっていました。
そこで数年後、負担の軽減を目的に、構成プロファイルの一斉整理を実施し、組織の自動適用機能を最大限に活かす仕組みへと改善しました。
現在では、人事異動が発生しても、所属情報に合わせてプロファイルを切り替えるだけで新しい設定が自動的に適用されます。そのため、再設定の手間はほとんどなくなりました。
また、故障や端末交換時の対応はベンダーへ委託する体制を整え、現場担当者の負担も大幅に軽減。「人が動いてもシステムが止まらない」仕組みを実現しています。
PICK UP!:組織自動適用機能をフル活用!
エフコープ様の環境では、組織ごとにプロファイルやアプリの自動適用を設定しています。
アプリは、組織を離れる際にアンインストールするものと、引き続き保持するものに分けて管理されています。

△人事異動に伴う組織変更が多いからこそ、制限設定やアプリ利用がスムーズに引き継げるよう工夫された設計となっています。
自動適用設定の詳細な手順については、「事前準備したデバイス制限・デバイス設定とアプリケーションを自動的に配布するための準備」をご参照ください。
今後は、Microsoft 365 の利用範囲拡大に合わせて CLOMO との連携をさらに強化していく予定とのこと。デバイスの利便性を高めながら、セキュリティ基盤としての信頼性を維持していく方針です。
担当者様はこう語ります。
「異動や役割変更が多い組織だからこそ、設定を切り替えるだけで環境が整うのは本当に助かります。今後も CLOMO の安定運用を続けながら、Intune との連携を深めていきたいです。セキュリティと利便性の両立を、これからも追求していきます。」
まとめ
エフコープ様は、CLOMO と Microsoft Intune の連携により、セキュリティの強化とデバイスの利便性向上を両立させ、現場の業務効率化を実現しました。
「必要なものだけをシンプルに届ける」という運用思想のもと、現場スタッフの負担を軽減し、安心して業務に専念できる環境を整えています。
本事例が、みなさまの組織におけるデバイス運用やセキュリティ管理の参考となり、日々の現場運用に少しでもお役立ていただければ幸いです。
エフコープ生活協同組合様の CLOMO 導入事例は、株式会社アイキューブドシステムズのコーポレートサイトでも紹介しています。ぜひご覧ください。
▽エフコープ生活協同組合様 - 配達現場の効率化から全社展開へ、 エフコープ生活協同組合のモバイル活用
https://www.i3-systems.com/case/f-corp
株式会社アイキューブドシステムズ CLOMO カスタマーサクセス担当