いつも CLOMO をご利用いただきありがとうございます。
カスタマーサクセス担当の 宮﨑 と申します。
Apple は近年、「宣言型デバイス管理(Declarative Device Management:DDM)」という新しい管理の仕組みを導入しました。
CLOMO でも、2026年6月リリース(Ver.1.102.0)より、この DDM に対応した新しい「OS をアップデート」機能がご利用いただけるようになりました。
本コラムでは、宣言型デバイス管理の基本的な仕組みと、実際に機能を利用して感じた運用上のメリット、そして安全に導入するための推奨ステップをご紹介します。
目次
宣言型デバイス管理(DDM)とは
iOS の「宣言型デバイス管理(Declarative Device Management)」は、Apple が従来の管理手法を進化させた新しいアプローチです。
管理者がその都度コマンドを使って指示を出す従来の管理方法とは異なり、デバイス自身が自律的に動作することで、効率的で柔軟な管理を可能にする仕組みです。
従来の MDM では、管理者が MDM サーバーからデバイスへ都度コマンドを送信し、その指示に従ってデバイスが動作していました。
一方、宣言型デバイス管理では、管理者の行う操作は「デバイスをどのような状態にしたいか」をあらかじめ設定するだけです。その後はデバイス自身がその内容に沿って動作し、設定状況や進捗も自動で管理者へ報告します。
▽ 従来型と比較したイメージ図

例えば OS アップデートでは、「○月○日の20時までに iOS 26.3 へ更新する」というルールを管理者が設定すると、デバイスはそのルールに従って必要なアップデートファイルを自動でダウンロードし、指定した日時にインストールを実施します。
管理者は状況を確認するだけでよく、アップデート状況も CLOMO PANEL 上から確認できます。
このように、管理者が都度指示を出す管理から、デバイスが自律的に動作する管理へ変わることが、宣言型デバイス管理の大きな特徴です。
宣言型デバイス管理のメリット
宣言型デバイス管理では、管理者が細かな操作を繰り返さなくても、デバイス自身が「あるべき状態」を維持しようと動作します。そのため、より効率的なデバイス管理が可能になります。
今回 CLOMO に実装された「OS をアップデート」機能でも、そのメリットを体感できます。
1. 管理者が何度も操作する必要がない
従来の OS アップデートでは、OS アップデート情報取得やダウンロード、インストールなど、状況に応じて複数の操作が必要でした。
宣言型デバイス管理では、「いつまでに、どの OS バージョンへアップデートするか」を一度設定するだけで、あとはデバイスが自動でアップデートを進めます。
2. デバイスが自分で判断して動作する
管理者が細かな操作を指示するのではなく、「あるべき状態」を設定すると、デバイスが自律的に必要な処理を実行します。通信が一時的に途切れても、回復後に自動で処理を再開します。
3. アップデート状況を確認できる
CLOMO PANEL で、ダウンロード中やインストール中などの進捗状況を自動で確認できます。利用者へ状況を確認する手間がなくなり、管理者の負担軽減につながります。
従来の デバイス管理方法と何が違う?
ここまで宣言型デバイス管理(DDM)の概要をご紹介しました。
従来の命令型デバイス管理と宣言型デバイス管理では、管理方法そのものが大きく異なります。
従来は、管理者が必要なタイミングでコマンドを実行し、デバイスへその都度指示を出していました。宣言型デバイス管理では、管理者が「あるべき状態」を一度設定すると、その後はデバイス自身が判断して必要な処理を進めます。
今回の「OS をアップデート」機能を例にすると、違いは以下のとおりです。

つまり、「操作を指示する管理」から「状態を宣言する管理」へ変わることが、宣言型デバイス管理の大きな特徴です。
CLOMO の新しい「OS をアップデート」機能を使ってみた
この「宣言型デバイス管理」の考え方が、CLOMO の新しい「OS をアップデート」機能ではどのように実現されているのでしょうか。
今回は、2026年7月30日に CLOMO の新しい「OS をアップデート」機能を実際に利用し、管理画面とデバイス側の両方の挙動を確認してみました。
実際に宣言型の OS アップデートを実行してみた
宣言型の OS アップデートは最新バージョン以外のバージョンを指定して OS のアップデートを実行することができるため、今回は、実行当時の最新バージョンではなく、「26.5.2」を指定して実行しました。
▽ Devices 画面:「このデバイスの操作」から「OS をアップデート」を選択して実行

コマンド実行後、デバイス側では、すぐにダウンロードが開始されました。
ソフトウェアアップデートの画面では、「指定した時間に自動的にアップデートされます」と詳細も記載されています。
▽「設定」アプリ>「一般」>「ソフトウェアアップデート」画面

また、宣言型の OS アップデートの進捗状況は CLOMO PANEL に自動反映され、対象デバイスの「デバイス詳細情報」からリアルタイムで確認できます。そのため、利用者へ状況を確認したり、情報取得コマンドを繰り返し実行したりする必要がありません。
▽ Devices 画面:「デバイス詳細情報」での進捗状況

またあわせて、従来方式の OS アップデート関連コマンドが利用できなくなったことも表示されています。
詳細な操作手順については、「6.4.2. OS アップデートを実行する」に記載されています。あわせてご参照ください。
利用してみた感想
実際に利用してみて最も便利だと感じたのは、利用者・管理者双方の操作負担が大きく軽減されることです。
検証では、Wi-Fi に接続したデバイスをパスコードロックしたまま机の上に放置していても、利用者が何も操作することなくアップデートファイルのダウンロードが自動で開始され、指定した日時に OS アップデートが実行されました。
また、アップデートの進捗状況も自動で更新されるため、管理者が情報取得コマンドを実行したり、利用者へ状況を確認したりする必要もありません。
管理者は「いつ・どの OS バージョンへアップデートするか」を設定するだけで、その後は管理者が何度も情報取得コマンドを実行したり、利用者へ「アップデートできていますか」と確認したりする必要がなくなります。
実際に利用してみて、「一度設定するだけで運用できる」という宣言型デバイス管理ならではのメリットを実感できました。
なお、今回の検証では、通信環境によってアップデート時の挙動が異なるケースも確認しました。詳しくは次章の「OS をアップデート」機能を利用する際の注意点でご紹介します。
「OS をアップデート」機能を利用する際の注意点
宣言型デバイス管理は、管理者の負担を軽減できる便利な仕組みですが、従来の MDM とは管理方法が異なるため、運用前に知っておきたいポイントがあります。
1. ダウンロード時間は指定できない
管理者が指定できるのは、OS をインストールする日時です。
アップデートファイルは、Apple の仕様に基づきデバイスが自動でダウンロードするため、「夜間だけダウンロードさせる」といった制御はできません。
また、モバイルデータ通信の場合も自動でダウンロードが行われます。ネットワークへの影響が気になる場合は、あらかじめ運用方法を検討しておきましょう。
2. 一度利用すると旧方式へ戻せない
宣言型の「OS をアップデート」を一度実行したデバイスでは、従来の OS アップデート関連コマンドは利用できなくなります。
また、旧方式の OS アップデートコマンドが予約されている場合は、宣言型の「OS をアップデート」が優先して実行されます。
3. 利用できる条件がある
宣言型の「OS をアップデート」は、iOS 17 以降かつ監視対象モードのデバイスで利用できます。実行前に、対象デバイスの OS バージョンと管理状態を確認しておきましょう。
4. 通信環境によって挙動が異なる場合がある
今回の検証では、Wi-Fi 接続時は利用者が何も操作しなくても指定した日時にアップデートが実行されました。
一方、モバイルデータ通信のみで利用しているデバイスでは、インストール時に利用者へ「今すぐインストール」を促す通知が表示される挙動を確認しました。
通信環境によって動作が異なる場合があるため、本番運用の前に、自社で利用している通信環境に近い条件で検証しておくことをおすすめします。
▽ 指定したインストール時間になった時のデバイスの画面

これらの注意点を押さえた上で、初めて導入する際は、検証用デバイスで動作を確認したうえで、本番環境へ展開することをおすすめします。
宣言型デバイス管理による新しい OS アップデート機能を、より安心して運用しましょう。
まとめ
本記事では、Appleの「宣言型デバイス管理(DDM)」と、それに対応した CLOMO の「OSをアップデート」機能について解説しました。
宣言型デバイス管理は、管理者が細かな操作を繰り返す代わりに「あるべき状態」を設定することで、デバイスが自律的に動作する仕組みです。OSアップデート運用の効率化に大きく貢献します。
Apple が宣言型デバイス管理への移行を進める中、CLOMO でも対応機能を順次拡大していく予定です。
これからの Apple デバイス管理に備える第一歩として、ぜひ活用をご検討ください。
本記事が、貴社のデバイス運用の参考になれば幸いです。