いつも CLOMO をご利用いただきありがとうございます。
カスタマーサクセス担当です。
本記事では、CLOMO を活用した iOS デバイス運用の事例として、マンションブランド「CLIO(クリオ)」を中心に事業を展開する 明和地所株式会社様 の取り組みをご紹介します。

明和地所グループの管理会社では、首都圏をはじめ札幌、福岡、名古屋でマンションの管理業務を担い、多くの管理員の方が現場で活躍しています。
明和地所株式会社様では、日々のマンション管理を支えている管理員向けの約1000台のiPadの管理・運用をしています。
今回は、IT 推進部の 長川様 に、管理員が利用する iPad の具体的な活用方法や、現場に定着させるための運用設計・工夫についてお話を伺いました。
目次
- 現場業務で活躍する iPad の実態
- 管理員の手に渡る iPad ― 現場での使われ方
- CLOMO で実現する“徹底管理”という優しさ
- 管理者側のリアルな工夫と学び
- セキュリティと利便性は「利用者基準」で考える
- まとめ ― 設定は、現場へのメッセージ
現場業務で活躍する iPad の実態
明和地所株式会社様が管理している iPad の主な利用者は、各マンションに勤務する管理員の方々です。これらの iPad は、日々の業務日誌の作成や、写真・動画による状況報告、フロント担当者との連絡など、現場業務に欠かせないツールとして活用されています。

▽ 明和地所株式会社様のデバイス活用概要
| デバイス | iPad(監視対象モード) |
| 利用者 | マンションに勤務する管理員 |
| 利用者の特徴 | デジタル機器の操作に不慣れな高齢者が中心 |
| 主な利用目的 | 業務日誌、写真・動画報告、チャット連絡 |
利用者には、スマートフォンや IT 機器の操作に慣れていない方が多くおられますが、現場では一人で iPad を操作することになります。この前提条件が、その後のデバイス設定や運用方針を考えるうえで、大きな影響を与えています。
管理員の手に渡る iPad ― 現場での使われ方
「管理員さんが毎日記入している業務日誌は、情報の宝庫です。その内容を、できるだけリアルタイムで確認できる方法がないか、というところからデバイス導入の取り組みが始まりました。」と長川様は語ります。
管理員の方々が iPad で主に利用しているのが、自社開発アプリ 『kanri.online(管理オンライン)』 です。
kanri.online で行っている主な業務
1. 業務日誌の作成
2. 写真・動画による状況報告
3. フロント担当者とのチャット連絡
4. 勤怠管理

iPad と kanri.online を導入したことで、これまで紙や電話で行っていた業務が 「iPad 一台で完結」 するようになりました。
なかでも特に効果を実感しているのが、「写真・動画による状況報告」です。
以前は、設備の不具合や共用部の異変を言葉だけで説明していましたが、現在では写真や動画を添えることで、
・現場の状況が正確に伝わる
・認識のズレが起きにくくなる
・管理会社としての対応判断が早くなる
といった変化が生まれています。
記録的豪雨や台風などの災害時にも、事前に「写真での報告」を依頼することで、被害状況を一覧で把握でき、優先順位を付けた迅速な対応が可能になっています。
CLOMO で実現する“徹底管理”という優しさ
明和地所株式会社様のデバイス運用を語るうえで欠かせないのが、「あえて自由にさせないことで、現場を迷わせない」 という設計思想です。
「自由度を下げることが、結果的に使いやすさにつながる」
この考え方を、CLOMO を活用した具体的な設定として形にしています。
▽実際に行っている主な制限設定
| 分類 | 設定内容 | 目的・理由 |
| アプリ | 必要最小限のみ表示 | 迷わせない・誤操作防止 |
| ホーム画面 | レイアウト完全固定 | アプリ削除・移動事故を防止 |
| Apple Account | 利用不可 | 個人利用・設定変更防止 |
| Webサイト(コンテンツフィルタ) | 主に動画サイトを制限 | データ通信量対策 |
※ Web サイトの閲覧制限については、「コンテンツフィルタプロファイル」を利用して制限を行っています。
これらの設定は、セキュリティ強化に加えて、「利用者が迷わず、安心して使えること」 を最優先に設計されたものです。
PICK UP!:ホーム画面にあるアプリは2つだけ
iPad のホーム画面に表示されているアプリは、「kanri.online」と、遠隔サポート時に利用する「Splashtop SOS」の 2つのみ です。その他のシステムアプリや日常的に使用しないアプリは、あえて利用者の目に触れない場所に配置しています。
「ホーム画面にアプリが増えると、利用者が混乱する可能性があります。そのため、表示するアプリは2つだけにしています。翻訳など別のアプリが必要な場合は、管理オンライン内に項目を作成し、そこからディープリンクで遷移できるようにしています。」と長川様は語ります。

ホーム画面レイアウト設定プロファイルがもたらした効果
この運用を支えているのが、CLOMO の「ホーム画面レイアウト設定プロファイル」です。
この機能により、管理者が意図したホーム画面を固定表示でき、利用者がアプリ配置を変更したり、誤って削除したりすることを防げます。
導入のきっかけは、過去に管理員の方が誤ってアプリを削除してしまい、アプリライブラリから探さなければならなくなった経験でした。
この機能を導入したことで、
- アプリを誤って消してしまう
- アプリの場所が分からなくなる
といったトラブルが発生しなくなりました。
利用者にとっては「これを押せばいい」画面が常に同じで、操作に迷わないという安心感があり、管理者にとっては問い合わせ削減や設定統一による運用負荷軽減につながっています。
▽明和地所株式会社様の設定

ホーム画面レイアウト設定プロファイルの具体的な利用方法については、「2023.06.26 「iOS 向け新機能:ホーム画面レイアウト設定プロファイルを使ってみた!」」をご参照ください。
PICK UP!:コンテンツフィルタは「通信量超過」を防ぐための運用
明和地所株式会社様が Web サイトの閲覧制限(コンテンツフィルタ)を設定するうえで、最も重視しているのが データ通信量の超過を防ぐこと です。
管理員向け iPad は、通信量に上限(3GB)のある回線で運用されています。そのため、動画サイトなどで想定以上に通信量を消費してしまうと、
- 業務に必要な通信ができなくなる
- 月の途中で通信制限がかかり、現場業務に支障が出る
といった影響が、直接現場に及んでしまいます。
そこで明和地所株式会社様では、
- 通信量が急増しているデバイスを確認
- 実際にどの Web サイトを閲覧していたかを調査
- 業務に不要と判断できるサイトを個別に追加して制限
という形で、運用しながらコンテンツフィルタを調整 しています。
この運用の特徴は、ホワイトリストではなく ブラックリスト方式 を採用している点です。

業務で利用する Web サイトは、その時々の調査内容や物件状況によって変わるため、最初から閲覧可能なサイトを限定してしまうと、
- 「このサイトも見られないのか」という問い合わせが増える
- 管理者側の調整負荷が高くなる
といった課題が生じやすくなります。
そのため、「基本は自由に使える状態を保ち、問題が起きたものだけを後から制限する」という方針を採用しています。
結果として、
- 通信量の超過を抑えつつ
- 管理員を過度に縛らず
- 管理者の運用負荷も抑えられる
バランスの取れたコンテンツフィルタ運用が実現しています。
管理者側のリアルな工夫と学び
「MDM は、現場のためだけでなく、管理者自身の操作ミスを防ぐためにも重要だと感じています。」と長川様は語ります。
PICK UP!:誤操作を防ぐための権限設計
過去には、管理者側の CLOMO PANEL 操作ミスにより、利用者のアプリを削除してしまった経験もありました。管理オンラインは再ログインを前提としていないため、復旧には大きな手間がかかります。
この経験をきっかけに、明和地所株式会社様では カスタム管理スキーム設定 を活用し、目的に応じた権限を持つカスタム管理者を作成しました。
・操作範囲を限定した管理者権限を作成
・誤操作リスクを最小限に抑制
これにより、管理者が誤ってアプリを削除してしまうリスクが大幅に低減されました。現在も「管理者自身を守るための設定」として活用されています。
カスタム管理者の作成方法については、「管理者情報を作成 - 3:管理者を登録する」をご参照ください。
▽ 例:アプリのアンインストールをできないように設定

セキュリティと利便性は「利用者基準」で考える
明和地所株式会社様の運用は、一般的な業務用デバイスと比べると、制限が強めに見えるかもしれません。しかしそれは、
- 利用者の IT 機器操作の習熟度
- 利用目的の明確さ
- 現場での単独利用
といった条件を踏まえた結果です。
「全員に同じ自由を与える必要はない」
この割り切りが、紛失ゼロ、デバイス操作の高い定着率につながっています。
まとめ ― 設定は、現場へのメッセージ
「設定を考えるときは、機能よりも『誰が使うか』を一番に考えています。」と長川様は語ります。
明和地所株式会社様は、CLOMO を活用し、iOS デバイスを 「迷わせない設計」 で運用することで、現場の業務を止めることなく、安定したデバイス活用を実現しています。
利用者像や通信環境といった前提条件を正しく捉え、必要な制御を必要な分だけ行う。この運用思想は、MDM を「管理のための仕組み」ではなく、現場を支えるための設計思想として活用している好例と言えるでしょう。
本事例が、みなさまの組織におけるデバイス運用や設定を見直すきっかけとなり、日々の現場運用に少しでもお役立ていただければ幸いです。
明和地所株式会社様の CLOMO 導入事例は、株式会社アイキューブドシステムズのサービスサイトでも紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。
株式会社アイキューブドシステムズ CLOMO カスタマーサクセス担当