Q1. デバイス管理の移行(Device Management Migration)とは何ですか?
デバイス管理の移行は、Apple が iOS / iPadOS 26 および macOS 26(macOS Tahoe)で導入した機能です。既存の MDM 管理下にあるデバイスを初期化(ワイプ)せずに、別の MDM サーバへ移行することを可能にする Apple Business Manager(ABM)側の新機能です。これにより、デバイス上のデータ(連絡先、写真、アプリ等)を保持したまま MDM の切り替えが行えます。
Q2. デバイス管理の移行を利用するための前提条件は何ですか?
以下の条件をすべて満たす必要があります。
・デバイスが iOS / iPadOS 26 以降、または macOS 26 以降であること
・ADE(Automated Device Enrollment)デバイスとして監視対象モードで管理されていること
・Apple Business Manager(ABM)上で移行先の MDM サーバに割当変更ができること
Q3. CLOMO MDMでデバイス管理の移行は利用できますか?
初期化を行わずに MDM(モバイルデバイス管理)の移行は可能です。ただし、ご利用に際していくつかの制限事項が発生しますので、それらを十分にご理解いただいた上でご利用ください。
Q4. 具体的な制限事項は何ですか?
現時点では以下の制限事項があります。
■ 構成プロファイルの挙動
・移行前の MDM でインストールされている構成プロファイルは、デバイスが再起動し新 MDM へのチェックインが完了した時点(Q6 手順6)で削除されます。
・移行後に、CLOMO PANEL 上で構成プロファイルを再度インストールする必要があります。
■ Wi-Fi 接続に関する注意事項
・移行時、デバイスが過去に接続したことのある Wi-Fi ネットワークの情報は保持されるため、Wi-Fi 情報の再入力は不要です。
・ただし、MDM の構成プロファイルによってのみ接続可能な Wi-Fi ネットワーク(非公開ネットワーク、証明書認証が必要なネットワーク等)を使用している場合、プロファイル削除に伴い接続が切断される可能性があります。
・Wi-Fi モデル(セルラー非搭載)のデバイスでは、プロファイル経由の Wi-Fi 設定のみに依存している場合、移行中に通信が途絶し移行処理が完了しない恐れがあります。移行前に、プロファイルに依存しない Wi-Fi ネットワークへの接続を確保してください。
■ 管理対象アプリの挙動
・移行前の MDM で「離脱時にアンインストールする」設定のアプリがインストールされている場合、移行後に削除されます。
・移行前の MDM で「離脱時にアンインストールしない」設定のアプリがインストールされている場合、移行後にアプリはデバイス上に残りますが、非 Managed(非管理対象)状態になります。移行後に再度 Managed 化が必要です。
【再 Managed 化の手順】CLOMO PANEL から以下を実施してください。
(1) 対象アプリへ VPP ライセンスを付与する
(2) 管理対象アプリ変更コマンドを実行する
なお、アプリ内データは非 Managed 状態でも保持されます。
■ 移行中の操作制限について
Apple の仕様では、移行中にデバイスの操作を制限するためのフラグ(await_device_configured)が用意されています。このフラグが有効な場合、移行中はデバイスに専用の待機画面が表示され、ユーザーはホーム画面を操作できない状態になります。
CLOMO は現時点でこのキーの制御に対応していないため、移行処理中もユーザーがホーム画面を操作できる状態になります。この間、以下のリスクがあります。
・新旧のプロファイルが一時的に混在する可能性がある
・通信設定が不安定になる可能性がある
移行中はデバイスを操作しないよう、事前にユーザーへの周知をお願いいたします。
※ await_device_configured に対応した場合、移行中はロック画面ではなく専用の構成待ち画面が表示され、ユーザーの操作が制限されます。本機能への対応は今後のアップデートで検討予定です。
■ 宣言型デバイス管理(DDM)による影響
移行元の MDM が DDM(宣言型デバイス管理)によるアプリ管理を使用していた場合、移行後にそれらのアプリの管理状態に影響が生じます。CLOMO は現時点で DDM によるアプリ管理をサポートしていないため、DDM で管理対象として設定されていたアプリが非管理対象(Unmanaged)の状態になります。
この場合、アプリが即座に起動できなくなるわけではありませんが、管理ポリシー(データ共有制限、VPN 設定等)が適用されなくなり、組織の管理対象アプリとして認識されなくなります。
【対処方法】
(1) 該当アプリに VPP ライセンスを付与し、CLOMO PANEL からアプリのインストールコマンドを実行し、Managed 状態に変更してください。
(2) 上記で復旧しない場合は、アプリ内データのバックアップを行った上で、アプリを削除し再インストールしてください。※ DDMによるアプリ管理機能は、今後のアップデートで対応予定です。
Q5. 移行後にデバイス上に残るデータと削除されるデータを教えてください。
社内検証の結果、以下のようになります。
| データ項目 | 移行後の状態 |
| 連絡先データ | 残る |
| 写真データ | 残る |
| App Store から直接インストールしたアプリ | 残る |
| MDM 外からインストールした構成プロファイル(Apple Configurator 経由等) | 残る |
| MDM 配布アプリ(離脱時アンインストールしない) | 残る(非 Managed になる) |
| 過去に手動接続した Wi-Fi 情報 | 残る |
| MDM から配布した構成プロファイル | 削除される |
| MDM 配布アプリ(離脱時アンインストールする) | 削除される |
| MDM プロファイル経由の Wi-Fi 設定 | 削除される(プロファイルと共に削除) |
Q6. デバイス管理の移行の基本的な操作手順を教えてください。
以下の手順で実施します。
1. 元環境で ADE デバイスとして監視対象モードで管理中であることを確認します。
2. 【重要】移行前に、プロファイルに依存しない Wi-Fi ネットワークへの接続を確保してください(Q4「Wi-Fi 接続に関する注意事項」参照)。
3. Apple Business Manager(ABM)上で、対象デバイスの割当を移行先の MDM サーバに変更します。
4. 移行先の MDM サーバで ADE 同期(全件)を実行します。
5. デバイスに移行を促すダイアログが表示されます。
6. ダイアログの指示に従い処理を進めます。移行中はデバイスを操作しないようユーザーに周知してください。
7. デバイスが再起動し、新 MDM へのチェックインが行われます。この時点で旧 MDM の構成プロファイルが削除されます。
Q7. CLOMO PANEL のドメイン間移動にもデバイス管理の移行は利用できますか?
CLOMO PANEL の各ドメインは Apple Business Manager(ABM)上では別々の MDM サーバとして登録されています。デバイス管理の移行は異なる MDM サーバ間での移行を可能にする機能であるため、技術的には CLOMO PANEL のドメイン間移動にも適用可能です。ただし、上記の制限事項は同様に適用されます。
Q8. 他社 MDM から CLOMO MDM への移行、または CLOMO MDM から他社 MDM への移行はどうなりますか?
旧 MDM からの離脱については、旧 MDM 側での特別な対応は不要です。Apple Business Manager(ABM)上で割当を変更すれば、自動的に離脱が行われます。そのため、CLOMO MDM から他社 MDM への移行(離脱)は、移行先 MDM がデバイス管理の移行に対応していれば可能です。
一方、他社 MDM から CLOMO MDM への移行(受入)については、移行自体は動作しますが、前述の制限事項(await_device_configured 非対応、DDM 未対応等)があるため、完全な移行機能はサポートしていません。
参考情報
・Apple Developer Documentation: Plan your device management migration
・Apple Business Manager ユーザガイド: 管理対象デバイスを別のデバイス管理サービスに移行する
このページの情報は役に立ちましたか?
このページに対するフィードバック
お寄せいただいたご意見に返信はできかねますので、予めご了承ください。