文字サイズ

CLOMO で iOS デバイスを管理している際に、ほかのデバイスは正常にコマンドの実行に成功しているにも関わらず、一部のデバイスで CLOMO からのコマンドを受け取れない、通信できない状態が発生する場合があります。

例えば、デバイスロックコマンドを実行してもロックされない、パスコード解除コマンドを実行してもパスコードを解除できない、最終応答から一定時間が経過している旨のアラート(赤色△/黄色△)が表示されている、Reports 画面で対象デバイスのログで [success]〜 とするコマンドの成功記録が確認できない、などが挙げられます。

本件のよくある原因として挙げられるものが、以下の2点です。

  • MDM プッシュ通知用証明書の年次更新を正しくおこなえていない
  • デバイス側の操作で MDM 構成プロファイルを削除してしまっている

そのため、まず管理者の作業として MDM プッシュ通知用証明書の年次更新が完了できているか、および正しく年次更新の作業が完了できているかをご確認ください。
MDM プッシュ通知証明書の年次更新が正しくおこなわれたかの判断について

次にデバイスのご利用者へ連絡し、MDM 構成プロファイルがインストール済みであるかをご確認ください。
証明書発行済みのデバイス削除について

※ 上記 FAQ は削除手順のご案内ですが、手順の途中までをご参照ください。

上記のいずれにも該当しない場合、個別の iOS デバイスごとに発生している事象によって、CLOMO との疎通がおこなわれていないことが考えられます。
その場合の原因は複数あり、以下の点が考えられます。

  • ネットワークの回線速度が遅い
  • プッシュ通知サーバーが遅延している
  • Wi-Fi や閉域網を利用していて、指定のポート/FQDN の利用が制限されている
  • デバイストークンの有効期限が切れている
  • OS 内の MDM 機能が破損している

ネットワークの回線速度が遅い

利用しているネットワークの回線速度が遅いため、CLOMO からのコマンド通信に支障をきたしていることが原因のため、回線速度が速いネットワークへ改めて接続することで改善が見込めます。

プッシュ通知サーバーが遅延している

CLOMO サーバーと iOS デバイス間とのコマンドのやり取りに利用している Apple 社のプッシュ通知のサーバー側で一時的な処理遅延が発生し、コマンドが滞留していることが原因です。
デバイス本体側でネットワークを再接続すること(機内モードのオンオフ切り替えなど)、デバイスの再起動を複数回にわたって実施することでプッシュ通知サーバーに対して、滞留しているコマンドがないかの確認をおこない、プッシュ通知の再配信を促します。
再配信の結果、CLOMO からのコマンドが改めてデバイス側へ届くようになります。

Wi-Fi や閉域網を利用していて、指定のポート/ FQDN の利用が制限されている

CLOMO ではコマンドの通信に利用許可が必要なポート/FQDN があり、セキュリティーポリシーなどの関係から利用が許可されていない場合、個別に許可設定を実施する必要があります。
詳細は以下のページを参考に、ネットワーク担当者に設定の変更を依頼してください。

CLOMO PANEL:https://support.clomo.com/?p=2155

デバイストークンの有効期限が切れている

iOS デバイスの仕様上、長期間(1週間以上)デバイスの電源がオフである、SIM カードを抜いた状態であるなど、ネットワークと通信をおこなっていない状態が続いた場合、ネットワーク経由であらゆるプッシュ通知を受け取ることができず、MDM としてもプッシュ通信を受け取るための認証(デバイストークン)の有効期限が切れてしまうことがあります。

この認証は、一度有効期限を迎えてしまうと、それ以降デバイスは CLOMO との疎通を再開することがなく、デバイス上の操作を実施することでその回復を図る必要があります。
具体的には、下記の順で作業を実施してください。

MDM 構成プロファイルのインストール操作では、改めて CLOMO の管理下に再登録されることで CLOMO との疎通が再開されます。

OS 内の MDM 機能が破損している

上述すべての原因確認と改善策を実施したにも関わらず、コマンドを受け取れない事象が継続している場合、iOS 内の MDM 機能自体が破損している可能性があります。

CLOMO を含め、iOS 向けの MDM サービスは iOS 内の MDM 機能を前提として、その機能を利用して付帯の管理機能を実現している関係から、OS 側の MDM 機能自体が破損している場合には CLOMO の機能面からの改善を図ることができません。
したがって、OS 本体のリフレッシュを目的としたデバイス本体の初期化が必要であり、それ以外の解消方法は現状ではご案内できません。

なお、MDM 機能が破損すること自体の原因として、先の1〜4の原因が作用していること、デバイス OS をアップグレードしたこと、デバイスを復元したことに加え、OS 側で未知の不具合が影響している可能性が考えられますが、CLOMO のサーバー側で確認できるログではデバイス内の処理は追求できないため、デバイス本体を Apple Configurator へ接続し、コンソールログを取得、解析する必要があります。

このページの情報は役に立ちましたか?