いつも CLOMO をご利用いただきありがとうございます。
カスタマーサクセス担当です。
今回は、熊本に拠点を置く理学療法・作業療法・看護・介護・IT 分野の専門職を育成する教育機関である「九州中央リハビリテーション学院」様のデバイス運用事例をご紹介します。

九州中央リハビリテーション学院様は、2008 年という早い時期からクラウドサービス「Google Workspace for Education」を導入し、ICT 教育に注力してきました。さらに 2010 年代後半からは iPad の必携化を推進し、クラウドとデバイスを一体化した教育環境を構築しました。その運用を支えているのが「CLOMO MDM」です。
今回は、同学院で情報システム管理をご担当されている古市様に、CLOMO MDM を利用した現場での具体的なデバイス活用方法、運用の工夫、そして今後の展望についてお話を伺いました。
目次
教育現場でのデバイス活用
九州中央リハビリテーション学院様では、Google Workspace for Education を利用したクラウドベースの学習環境を活かしたノートテイキングや資料管理、情報共有を積極的に推進しています。
講義では動画や 3D モデルを用いたインタラクティブ教材を活用し、さらに長期実習中も遠隔から資料にアクセスして教員と双方向のやり取りができるなど、学内外での学びを支える先進的な取り組みが実現されています。
▽九州中央リハビリテーション学院 様の管理されているデバイス
| OS | iOS |
| 機種 | iPad(監視対象モード) |
| デバイス支給対象 | 教職員、学生 |
| 管理 | Apple School Manager(Automated Device Enrollment ) |
▽ 学生に支給している iPad の画面(※ 九州中央リハビリテーション学院様ご提供)

古市様は「授業資料の共有や課題提出も、クラウドサービスと iPad でほとんど完結します。もともと紙の教材が大量にありましたが、今では削減され、学生間の共同レポート作成も活発になりました。」と語ってくださいました。
管理対象 Apple Account の活用
九州中央リハビリテーション学院様では、Apple School Manager(ASM)を活用して 管理対象 Apple Account (※)を発行・運用し、学生ごとに学籍と連動した専用アカウントを提供しています。デバイスの初期設定やアプリ配信、権限管理を一元化することで、安全かつ効率的なデバイス運用を実現しています。
導入当初は事例が乏しく、英語マニュアルを頼りに試行錯誤を重ねたといいます。
ですが、現在では約 800 名分のアカウントを2日程度で整備可能にまで効率化しました。
経験を積み重ねた結果、今では学籍異動や年度更新ともスムーズに連携できる体制を確立し、管理対象 Apple Account は学院における ICT 活用基盤の大きな柱となっています。
※ 管理対象 Apple Account については「こちら(Apple公式サイト)」をご覧ください。
学びを支える CLOMO を利用した iPad 運用

九州中央リハビリテーション学院様では、学生一人ひとりに iPad を配布し、学びのさまざまな場面で活用しています。
- リアルタイム講義連携
授業中に学生の意見を即時に収集し、ディスカッションやフィードバックに活用。 - 視覚的な学習支援
医療系アプリや 3D モデルを活用し、複雑な解剖学の知識の直感的な理解を支援。 - 実習時の情報アクセス
遠隔地からでも講義資料や教材を確認でき、教員への質問や連絡もスムーズ。
CLOMO MDM による日常的な管理・運用
CLOMO は、学習支援と管理の両面で不可欠な存在です。
古市様が日常的に CLOMO を利用している業務は以下の通りです。
| アプリ管理 | VPP アプリのインストールやアップデート対応 |
| 紛失対応 | 紛失モードを利用した迅速な位置情報確認と対応 |
| 初期化対応 | 学籍異動(卒業・退学)時におけるデバイス初期化 |
特に学生の学びの下支えとなっているのは、VPP を活用したアプリの一括インストールやアップデート対応です。
九州中央リハビリテーション学院様では、学習に役立つ専門的なアプリから、Google Workspace for Education 関連アプリ全て、Metamoji Note というノートアプリなどを CLOMO から一括配信しています。
そして、アプリのアップデートがあった際に、急にアプリが使えなくなる、ということを防ぐために、すぐにアップデートされる自動アップデート設定も一部活用されています。

△ Gmail アプリは「自動アップデート」が設定されています
自動アップデート設定の詳細については「5.6.5. VPP アプリケーションをアップデートする」をご参照ください。
また、学生の iPad に設定されている制限設定は以下の通りです。
| 概要 | 項目名 |
| App Store の利用禁止 | App のインストールを許可(監視対象のみ) |
| 他 PC との接続禁止 | Configurator 以外のホストとのペアリングを許可(監視対象のみ) |
| 初期化の禁止 | "すべてのコンテンツと設定を消去"を許可(監視対象のみ) |
| ”探す”設定の変更を許可しない | "探す"の"デバイスを探す"を許可(監視対象のみ) |
関連マニュアルはこちら▽
3.2.2.1. iOS / macOS プロファイルを作成する
この中で特に役立っている設定項目が、アプリ利用制限と画面監視機能です。
古市様は次のように語ります。
「学生が授業中にゲームをしてしまうことを防ぎ、安心してデバイスを使える環境を整えられます。制限設定は講義中の集中力維持にも効果的です。学生は “管理されている” という心理的な抑止力によって、自然とタブレットを学習目的で活用するようになります。」
これらの制限設定はいずれも重要とされています。この設定を行うことで、
- ゲーム利用の禁止
- 他 PC との接続制限による勝手な初期化の防止(=盗難や転売の抑止)
- アカウント変更の禁止による所有者識別の維持
といった効果を発揮しています。
制限と利便性のバランスの考え方
デバイス運用で悩ましいのがセキュリティと利便性のバランスです。管理者様は誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか?
九州中央リハビリテーション学院様では以下の 3 つの方針を掲げています。
- ゲームや不要なアプリはブロック
- YouTube など、学習に役立つ可能性があるサービスは許可
- 違法行為でなければ基本的に柔軟に対応
古市様:
「iPad は文房具の一種です。制限ばかりでは活用できません。基本的に利便性を残しつつ、必要最低限のルールで運用しています。学生自身が “やってはいけないこと” を判断できるよう、過度に制限は設けないようにしています。」
まとめ
今回、九州中央リハビリテーション学院の古市様にお話を伺い、iPad が教育現場でどのように活用されているのか、またセキュリティと利便性のバランスをどのように考えているのかをご紹介しました。
CLOMO は、単なるデバイス管理ツールではありません。近年の教育現場で主要な学習道具となっている iPad をはじめとするタブレットを適切に管理し、学習効率や共同作業を高める強力なサポートツールであることが明らかになりました。
九州中央リハビリテーション学院様の CLOMO 導入事例は、株式会社アイキューブドシステムズのコーポレートサイトにも掲載しております。ぜひご覧ください。
▽九州中央リハビリテーション学院 -「医療人の育成を支えるICT教育 Apple School Manager を CLOMO MDM でフル活用」
https://www.i3-systems.com/case/kcr
株式会社アイキューブドシステムズ CLOMO カスタマーサクセス担当